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~
晃…。
~
晃…。
帰ってたのか。
ごめん… 一人にして。
晃…。
「家に帰ります。 桂ちゃんの夏服を取りに。 晃」。
《七夕の日の翌日… 晃は俺の前から姿を消した》
(伝一)晃ちゃん 家 帰ったの?
あ… すみません あの… 急用ができたみたいで…。
もしかして 夫婦げんか?
まさか! 2人にかぎって そんなことあるわけないよね。
そうよね なに言ってんのかしら もう…。
ごはんの準備しましょう。
はい ちょっと待っててね。
(呼び出し音)
お待たせいたしました。
あの…。 晃の友達の森珠希さんよね?
はい…。
あなたのお父さんに ここ聞いたの。
バイト先にまで押しかけて 悪いわね。
でも 早く 晃に連絡取りたいのよ。
心配ですよね。 でも その 私も…。 あの子の居場所がわかれば
きっと 桂一にも会える。
どこにいるのよ 桂一…。
じゃ ありがとう。
すみません お役に立てなくて…。 別に あなたのせいじゃないわ。
あの… アキに連絡がついたら 伝えておいてください。
珠希が会いたがってるって。
わかったわ。 でも…。
えっ… ちょ… 大丈夫ですか!? お客様!
救急車 呼んで! わかった!
大丈夫ですか?
もしもし…。
はい… 広瀬奈緒美は 母ですが…。
珠希?
アキ…。
お母さん…。
ここ… どこ?
病院だよ。
桂一は?
桂ちゃんは来てない。
私だけ。
ねぇ アキ… 今日はさ うちに泊まっていきなよ。
こんなとき 一人で家じゃ 寂しいでしょ。
でも 入院の準備とか やることがあるから…。
アキ…。
大丈夫だよ ありがとう。
普通じゃないのかな?
晃は… 変わらなくていい。
そのまんまでいい。
今のままで… いい
そのままにしてたよ。
でも…。
桂ちゃんは 私が妹じゃなかったら
きっと 興味すら 持たなかったでしょう?
桂ちゃんは…。
私とは真逆の 女の人が好きでしょう。
明るくて…。
大人っぽくて…。
人懐っこくて…。
私 知ってるよ…。
知ってるのに…。
私と子ども… つくりませんか?
えっ… それは…。
子どもをつくるまねごとなら… 私たちにもできますよ
桂ちゃんを追いつめて…。
ごめん… 桂ちゃん…。
アキ…。
珠希?
どうして 一人で 抱え込もうとするの?
ねぇ… お母さんのことだけじゃ ないんでしょ?
何があったの?
話して…。
アキ…。
ううん 大丈夫。
ねぇ アキ…。
全然 大したことじゃないから 大丈夫…。
ウソつき。
アキってホント… ウソばっかだよね。
ねぇ… つらいときに つらいって言わないのは
偉くなんかないんだよ。
無理して笑わなくていいよ。
つらいときは… 無理して笑わなくていい
つらいときは 無理して 笑わなくていいんだよ。
大丈夫なんかじゃないくせに。
珠希…。
私…。
桂ちゃんと駆け落ちした。
えっ?
私が 無理やり迫ったの。
私と 夫婦ごっこしてくれないかって。
周りから祝福されなくても
ただの おままごとでも…。
桂ちゃんと 兄と妹としてじゃなく…。
一緒にいたかった。
そのためなら 全部 捨ててもいいと思った。
でも… やっぱりダメだった。
桂ちゃんにとって やっぱり私は ただの妹で…。
私だけが勘違いしてた。
周りの人をさんざんだまして…。
私たち 夫婦なんです。
いただきます。 (桂一たち)いただきます
何やってんだろう…。
いっそのこと… このまま消えたい…。
消えたい… 消えたい…。
嫌… 嫌! 嫌! 嫌!
嫌!
やめて! 嫌!
死ねばいいのに!
いや~!
どうしました?
広瀬さん? 嫌! あっ あっ…。
広瀬さん 落ち着いてください。 あっ 嫌!
嫌! やめて! 落ち着いて。 嫌! 嫌。
うん。 うん。
やっぱ 外で食べるごはんは 最高だね。
うん 異議なし。
高校のときもさ 天気いい日は こうやって外出て
お弁当食べたよね。 うん そうだね。
珠希…。
いつもどおりにしてくれて ありがとう。
桂ちゃんと駆け落ちしたなんて 聞かされたあとなのに。
うん まあ びっくりはしたけど…。
お兄ちゃんって 一度も呼んだことないの。
えっ?
小さい頃から 桂ちゃんは桂ちゃんで
私の世界の中心だった。
それが普通じゃないんだって 気づいて
このままじゃダメだと思って
桂ちゃんと離れるために 家を出た。
なのに…。
この際だから 知らないとこで
新しく始めるのも いいかもって。
ダメ!
桂ちゃんが家を出て 遠くに行くって言ったら
そんなの許せないって思った。
私の知らない場所で
知らない誰かと 生きていくなんて
絶対にイヤだって。
私は… 桂ちゃんを あの家に閉じ込めておきたかった。
私が そばにいられなくても
そこにいるってわかれば 安心だった。
桂ちゃんが 1人じゃ
生きていけないことも 知ってたのに。
ひどいよね。 自分でも引くよ。
こんなこと 誰にも言えなかった。
珠希も こんな話 聞きたくなかったよね。
ごめん。
謝るなら 黙って消えたことのほうにして。
次したら 許さないよ。
珠希。
よし。
で これから どうするの?
お母さん よくなったら 桂ちゃんのとこ 戻るの?
う~ん…。
わからない。
今は なんだか疲れちゃって。
ねえ こっち戻ってきたら?
(バイブ音)
~
お母さん。 晃。
ベッドから起きて 大丈夫なの?
大丈夫じゃなきゃ医者呼ぶわよ。
お母さん。
ちょうどよかった。 どっかでワイン買ってきてよ。
何 言ってるの? 病人なんだよ。
冗談よ。 いちいち真に受けないで。
心配してるんだよ。 心配?
桂一もあんたも連絡ひとつ 寄こさずにいなくなったくせに。
お父さんには 入院のこと連絡した?
するわけないでしょ。 なんで?
あの人とは とっくに縁が切れてるわよ。
それ いつから?
あんたが出ていったあと すぐによ。 そんなに前から?
桂ちゃんは知ってたの?
さあ。 知らないんじゃない?
お父さんがいなくなって お母さんは平気なの?
そもそも 私 結婚する気なんてなかったのよ。
でも 子どもは欲しかったの。
老後のこととか 身の回りのこととか
任せられる人がいなきゃ 困るもの。
そのへん あんたの父親は 理解があって助かったわ。
私がやりたいことを 邪魔しなかったし
私に 何も求めてこなかった。
あの人たちと違ってね。
あの人たち?
あんたのおじいちゃんと おばあちゃんよ。
(奈緒美)アパレルに就職して 世界を飛び回るのが
私の小さい頃からの夢だった。
(奈緒美)でも あの人たちは
そんなくだらない 夢は持つなって言って
大げんかになった。
私は 一生 あの両親から 自由になれないんだって思った。
恐怖すら感じた。
でも…。
2人は 事故で死んで 私は自由になれた。
必死に頑張って 夢だったアパレルの仕事も手に入れた。
桂一が生まれて 家族ができた。
結局 すべて失ったけど。
おまけに体までボロボロ… 頼みの綱の桂一もいない。
痛い思いして産んで
何不自由なく 育ててあげたっていうのに…。
あんたも桂一も
私なんかいなくなればいいと 思ってるんでしょ。
そんなことない。 そうに決まってる!
お母さん 私は…。 ひどいじゃない!
与えるだけ与えといて 最後に全部奪うなんて!
じゃあ 私は いったい 何のために生きてきたのよ!
死にたくない…。
死にたくない! お母さん?
嫌 嫌 嫌…。 お母さん 落ち着いて!
病気ならすぐ治るから 大丈夫だから!
大丈夫?
うん 大丈夫。
晃… あんたは いい子だから 私を置いていかないわよね。
あんたは どこにも行かないわよね?
行かないで 晃。
~
(バイブ)
晃? 今どこ?
家だよ。 家に帰るって 書いておいたでしょ。
いや そんな いきなり帰るってさ。
お母さん 今 入院してるの。
母さんが?
うん 腎臓が悪くて倒れて 肝臓も悪いみたい。
あっ 命に関わるような ことじゃないから安心して。
私 しばらくは こっちにいることにしたから。
えっ…。
お母さんの体調が戻るまで 1人にしておけない。
いや… じゃあ 俺もそっちに。
桂ちゃんは 仕事があるでしょ。
せっかく就職できたんだから 今は仕事に専念して。
晃…。 ん?
ちゃんと 帰ってくるんだよな?
俺のところに 帰ってくるよな。
俺のところに 帰ってくるよな。
晃?
また連絡する。
~
敦子:「広瀬って ほんと妹と仲いいよね」。
妹?
~
お母さん ニンジンよけないで。
はいはい わかったわよ。 まったく 小姑みたいなんだから。
~
これ 体にいいのよ あんたも飲みなさいよ。
ありがとう。
うん おいしい。
あっ ほらニンジン。 はい はい。
はいは1回。 はい はい。
でもホント あんたは料理が上手よね。
誰にも教わらないで ここまで作れるなんて
すごいわよ。 いや 別にすごくないよ。
あんたなら 私と違って いい母親になれるわ。
俺の嫁さんは 血のつながった妹なんです
もしもし。
帆奈です。
えぇ!? 帆奈さんが 俺を担当に?
うん 帆奈さんから連絡があってね。
新しい絵本を描きたいって モチーフも決まったって。
よかったな。 頼んだよ。
はい。 (松本)頑張れよ。
いるわけないか…。
遅かったな。 えっ なんでいるんですか!?
なんでって 待ってたんだよ。
えっ?
お疲れ。
東京最後の日に
俺なんかと飲んでて いいんですか?
うん? あのヘタレ眼鏡には言ったんですか?
福岡に転勤になったってこと。
もういいだろ あいつのことは。 最後なんだから
先輩の口から聞かせてください。
あの人のこと どう思ってんすか?
大事だよ。
どこにいても
俺は あいつが あいつのままでいてくれたら…。
笑っていてくれたら それでいい。
だったら 会いに行けばいいじゃないですか。
会いに行く理由がない。 理由なんて なんでもいいんすよ。
何 意地張ってんすか。 別に 張ってねえよ。
しようがないな…。
じゃあ 言いますけど
俺 つきあってた彼女が いたんですけど
別れたんです。 えっ?
俺が いつも 先輩の話ばっかりするから
彼女に言われたんです。
「もしかして その人に ほれちゃったんじゃない?」って。
もちろん 冗談のつもりで言ってたのに
俺 笑えなくて。
それで なんだか気まずくなって 別れたんです。
あっ 別に だから 責任取れなんて話じゃないっすよ。
言うつもりもなかったんで オチもないっす。
俺 先輩に会えて 一緒に働けて
ホント幸せだったなって 今 心から思ってるんで。
じゃあ 俺はこれで。
ありがとう。
これ 持ってけよ。
ありがとうございます。 おう。
~
あっ そうだ! つまみ買って帰りましょ。
新発売の こりこりくん 先輩にも食べてほしいな
なんで… そんなことまで 覚えてんだよ。
~
(バイブ音)
はい。 (剛)珠希か?
あっ 剛くん? 遅くに ごめんな。
大丈夫 どうしたの?
福岡に転勤が決まった。
福岡…。
広瀬の居場所 教えてほしいんだ。
珠希。
あっ お父さん おはよう。
ちょっと 話いいか?
ん?
何?
実は お母さんから 連絡が来たんだ。
えっ…。
(恭一) あの男とは もう別れたそうだ。
それで お母さん どうしても一度 珠希に会いたいって。
今さら 何言ってんの。
会って 謝りたいって。
ずっと悔やんでるって…。
珠希を残して出ていったこと。
お父さんは それでいいの?
許せる?
うん… でも お母さん
ホントに反省してるみたいで。 そんなわけない。
誕生日も 成人式も 連絡くれなかったのに。
珠希 それはね…。 お母さんは
謝って すっきりしたいだけ。
お父さんに対しても 自分が許されたいだけ。
お母さんは 自分のことしか 考えてないんだよ。
珠希…。
~
海辺に住むきょうだいの物語?
そう。 モチーフは 私と海斗。
それと…。
あなたと あなたの大切な人。
~
どう?
いいじゃない。 やっぱり私の見立てどおりね。
いやでも こんないい服 着ていくところないし。
あとは 靴を買わないと。
お母さん。 ん?
ありがとう。
親子じゃない 当たり前でしょ。
~
戻りました。
お疲れ。
伝さんは? 出てるよ。
そっか。
あのさ 広瀬。
ん? 晃ちゃん
いつ こっちに帰ってくるんだ?
うん… もう少し先になるかも。
なあ 広瀬…。
何?
晃ちゃんは お前の妹なのか?
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