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《桂一:俺と晃は 同じ親から生まれた兄と妹》
珠希:彼女だったら嫌なの?
ブラコンなんて 普通 卒業してる年齢でしょ。
私ってさ 変なのかな?
好きだよ 大好きだよ。
(奈緒美)恥を知りなさい!
いい大人が 反抗期か知らないけど
妹まで 巻き込むんじゃないわよ!
《そして 俺たちは…》
~
(バイブ音)
《俺たちは ようやく ここまで たどりついた》
何 読んでるの? うん…。
今度出版する 俺が担当してる絵本。
へぇ。 あっ うちの園にも 桂ちゃんのとこの本 あるよ。
子どもたちにも 結構人気ある。
なぁ 晃。 うん?
ここに来ること 誰かに言った?
えっ? 言ってないよ。
ふ~ん…。
あっ そうそう 桂ちゃん
私 この前 プロポーズされました。
そっか。
えっ!? プロポーズ? 誰に?
桂ちゃんに。
桂ちゃん? そう 桂一。
あぁ なぁに?
わぁ かわいいじゃん ありがとう。
僕 晃先生と結婚する!
あぁ 俺と同じ名前の子が いるってことか。
今 すっごい顔してたよ 写真撮ればよかった。
で なんて答えたの?
うん? ちゃんとお断りしましたよ。
残念ながらお受けできませんって。
あらら 子どもの夢 壊すなんて 悪い先生だ。
だって 仕方ないでしょ 本当のことなんだから。
私 桂ちゃんとは 一生結婚できないんだから。
(バイブ音)
出なくていいの?
出なくて いい。
(バイブ音)
《俺たちは ようやく
ここまでたどり着くことが できたのだから》
桂ちゃん 入るよ。
わっ きったな ねぇ 少しは片づけなよ。
そんな暇ない。
俺は今 世紀の傑作 生み出してるんだから。
はいはい 桂ちゃん宛ての手紙 置いとくね。
サンキュー。
あっ 母さんたち帰ってくるの 月曜だよな?
そうだよ。 俺 その日から巡業だわ。
巡業って サークルの? そう。
保育園とか 介護施設まわって 芝居すんの。
これが 結構 喜んでもらえるんだわ。
へぇ 楽しそうでいいね。
晃も楽しめよ。
母さんたちいるときくらい
家のこと なんもしなくていいんだから。
うん そうだね。
えっ…。
~
あぁ ダメだ… もう思いつかない。
これじゃ 世紀の傑作 できないよ。
うん?
なんだ? これ。
(物音)
あっ…。
(物音)
晃?
なんだ? 今の音。
晃!?
どうした?
窓から 誰かがのぞいてて…。
えっ?
(敦子)のぞき!? 最低。
で犯人 見たん?
俺が気づいたときには もういなくて。
晃は見たらしいんだけど。
警察には届けたの?
一応 近くの交番には 相談したんだけど
犯人の手がかりはないし
見回り強化するってくらい らしくて。
そっか まぁ そうだよな。
うん。
それで 晃ちゃんは? 大丈夫なの?
うん…。
なんか いつもと変わんない感じで。
さすが 広瀬の妹だからな。
ヘタレの兄ちゃん持つと しっかりするな。
だよな~。 少しは反論しろよ。
だって まっさん それ本当のことだし。
でも 晃ちゃん やせ我慢かもしれないじゃん。
えっ?
私も 変な人に 自転車で追いかけられて
あれから 自転車が通るたびに ビクッてなるもん。
やっぱ トラウマって 残るもんなんだよ。
(松本)アッコ それでしばらく サークル来られなかったもんな。
うん 記憶から消し去りたい。
でも 全然消えてくんないんだよ。
(バイブ音)
~
アキ どうしたの? にやけちゃって。 えっ? にやけてないですけど。
にやけてたじゃないですか~。 いや にやけてないし。
にやけてたってば。 にやけてないってば。
あやしい~。 しつこいな~。 なに? 隠してんの?
なんにも隠してないよ。 隠してますよ。
隠してない ケータイ持ってるだけ。
演劇の巡業か? 学祭も出るのか?
うん 演劇祭も出るんだよ。
ちゃんと審査されてね 選ばれたの。
ふ~ん えらく熱心だな。
誰でも 出られるわけじゃないのよ。
学祭 今年も 剛つん 手伝ってくれる?
はぁ? あれは 1回きりのサービスだろ。
部員に 呼んでくれって頼まれてさ
助かったよ あのときは。
えっ? じゃあ 俺は どうだったの? 監督さん。
普通。 普通!? アドバイスとか ないの?
剛つん!
剛つん 剛つん!
剛つん!
剛つん! 剛つん!
あっ いた!
剛つん ちょっと待ってて!
ハァハァ ハァハァ…。
役者が… 1人 骨折…。
役者が 1人 骨折? そう…。
転んで 骨 折っちゃってさ
俺が 代わりに やることになって…。
だから 1人 大道具が足りなくてさ…。
剛つん お願い!
別に いいけど…。
ホント?
ああ。
よかったぁ… 助かる…。
じゃあ とりあえず来て! 今?
今! えっ?
ヴェローナの花と称えられる 美人すべてとともに
君が 愛してやまぬ 麗しのロザラインも 出席する。
行きたまえ 君も!
そして とらわれぬ目で あの人の顔と…。
行くか…。 うん…。
階段な。 うん…。
大丈夫か? うん…。
ああ 緊張する…。
ほどけてる。 んっ?
あっ… ありがと 剛つん。
てかさ… なんで 演劇サークル入ったんだ?
えっ?
ガラじゃないだろ どう考えても。
いや
なんとなく 俺に 向いてる気がしたんだよね
芝居って…。
どっからきた自信だよ。
だってさ…。
ずっと 演じてたから
17年間 兄貴って役を…。
えっ?
広瀬 そろそろ出番。
うん… じゃ 行ってくるね。
ジュリエット様!
だ~れ? お母様ですよ。
はい お母様 なんの御用?
《剛:広瀬に対して
特別な感情を持っているとは 思っていなかった》
おぉ~ ロミオ ロミオ! どうして あなたは ロミオ?
《剛:でも このとき
広瀬が 抱えてきたものに気付いて
どうしようもなく 心が痛んだ…》
《そして 俺は
自分の 本当の気持ちに気付いた》
~
じゃあね 剛つん! おう!
~
《俺も ずっと演じてるよ》
アキ!
また サボったな。 お察しのとおり。
ねぇ これから 一緒に ケーキ食べにいかない?
ああ ごめん あの… 今日は まっすぐ帰る約束になってて…。
どうしたの? ううん なんでもない!
どうしても 食べたくなっちゃったから
1人で行ってくる。 そっか じゃあね。
アキ… 私 今日 誕生日なんだよ…。
おいしそうだよね…。 かわいい。
(話し声)
森さん 森さん…! 森さん!
こんなところで なに してんの? いや 特には…。
じゃあ 私たちと一緒に行こうよ。
お菓子もジュースも タダで飲めるとこ知ってるからさ。
そうだよ 暇でしょ? お待たせ!
森さん。 森さんも行く?
(2人)行こ行こ~! 言って… 言ってない…。
~
なに 食べたい? なんでもいいの? いいよ。
えぇ~ でも パフェ食べたばっかだからなぁ。
なに? なになに? じゃあ おすし。 おすしかぁ。
新作だよ ここのスイーツ。
天才だわ ここのシェフ!
幸せそうに食べるね~。
森さん 一口も食べてないじゃん。
あの… なんで ここの店って タダで食べられるの?
はい。
手前の 右の子 呼んで。 かしこまりました。
お客様 少し よろしいですか?
あの…。
君 いくつ?
あっ… 18になりました。
ふ~ん ホントに 女子高生なんだ。
うわさは 本当だったのか…。
でも 最近の子は みんな 大人っぽいよねぇ…。
あの…。 ほら すぐ そこだから。
いや… あの 私 あの…。
大丈夫 大丈夫 僕に任せとけば 大丈夫だから。
あれ? 緊張してるの?
ほら ねっ…!
初めてなの? かわいいなぁ。 やめてください!
初めてって いいよね…。
うわっ!
なんだ 君は!
うわっ!
うわ~っ! 剛くん やめて!
なんだ! それ以上やったら
剛くんが捕まっちゃうよ!
ハァ ハァ…。
(電車の通過音)
いや 私 違うよ…。
パパ活 しようとしてたとかじゃないよ…。
クラスの子に 連れていかれて… それで…。
変な友達には気をつけろよ。
うん。
それより… 今日 誕生日だろ?
昔 無駄に甘いケーキ食わされたよな。
(珠希)ふだん 料理なんかしないくせに
急に ケーキなんか作ったりして。
恭一:おぉ きれいだね。 いい いい。
剛くん やろうよ。 ねぇ?
(美津)かけて かけて。 剛くん かけて
(珠希)クリームかたいし
無駄に甘いし
スポンジ 膨らんでないし。
全然 おいしくなくて。
恭一:ごちそうさまでした。
(美津)コーヒーでも飲む? (恭一)いいね。
新しい豆 あったかな。 (美津)どこだっけ?
(恭一) おかわり いっぱいあるからね
(珠希)剛くんが
私が ケーキを食べられなかったから 食べてくれたよね。
ゴウくん
それでも お母さん
毎年 私のために…。
バカ… バカ バカ バカ…。
お母さん…。
~
冷てえぞ。
(剛)おめでとう 珠希。
ありがとう。
うん。
珠希!
えっ…。 あぁ よかった 無事で。
誕生日なのに いくら待っても帰ってこないし。
いや まだそんな遅くないよ。
お父さん 珠希まで いなくなったのかと思って。
ごめん。
ふがいないお父さんで ごめん。
そんなことないよ。
剛くんも ありがとね。
いえ。
よかったら 上がってって。 じゃあ おじゃまします。
うん! 早く早く。 ほら 早く早く。
晃ちゃんが 持ってきてくれたんだよ。
でも すぐに帰っちゃってね。
晃:珠希へ お誕生日おめでとう。
ちょっと失敗しちゃったけど… 下手でごめんね 晃
(恭一)おめでとう! (剛)おめでとう。 (クラッカーの音)
(恭一)ふぅ~! (拍手)
晃ちゃんも一緒に 食べていけばよかったのに ねぇ。
さあ 食べようか。
(3人)いただきます
まあ アキは いつもいつでも お兄ちゃん思いだから。
うまいよ。 うん おいしい!
お兄ちゃんか。
珠希にも お兄ちゃんがいてよかったな。
んっ? えっ?
剛くんは ホントいいお兄ちゃんだよ。
小さい頃から 珠希を ずっと守ってくれて。
なあ 剛くん。
これは 僕の勝手な思いなんだけど。
なんすか?
剛くんと珠希が
将来 結婚してくれたらいいなって。
お父さん なに言ってんの!
だって剛くんなら 珠希のこと 一生大事にしてくれるだろ。
そうなったら これ以上 うれしいことは…。
えぇ ちょっと なに泣いてるの。
珠希も 18になったのかと思うと
そんな遠い先の話じゃ ないのかと思って。
お父さん。 ごめん ごめん。
いや おじさん それはないっすわ。
えっ? 無理です。
俺 男が好きなんで。
えっ?
《バイバイ 私の初恋》 (剛)すみません…。
(恭一) いや 謝ることじゃなくて…。
そうか。 こっちこそ ごめんね。 えっ?
いや 何も知らずに 勝手に盛り上がって。
嫌な気持ちにさせちゃったよね。 いや 全然。
おい どうした 詰まるぞ。
珠希… 誰も取らないから ゆっくり食べたら?
ん~ アキのケーキは おいしいな。
あぁ 一生忘れない誕生日だな。
涙出る。 食べな おいしいから食べな。
(恭一)あぁ うん 食べる食べる。
じゃあ いってくるぞ。 はい いってらっしゃい。
本当に大丈夫か?
なんですか その目は。 夜まで1人なんだぞ?
大丈夫だって 言ってるじゃないですか。
はいはい 早く行ってください。
はい。 おいおい 押すな 押すなって。
早く行かないと遅刻しちゃう。 わかった わかった。
戸締まりには気をつけろよ。 はいはい。
なんかあったら すぐ電話しろよ。 わかったっつうの。
絶対だぞ。 わかってますよ。
飛んで帰ってくるから。 いってらっしゃい。
いってきます。
ん~ 空気がおいしい。
つかさ 駅に近いって言ったよね。 うん。
どこが? なんにもないじゃん。
小さい男だなぁ。 宿には そのうち着くってば。
ホント なんにもないとこだな。
夜は ゲームするしかないな。 お前 持ってきた?
えっ? まっさん なんか言った?
だから ゲーム。
あぁ… 持ってきたよ。
どうした? なにボーッとしてんの?
うわっ! ちょっと 何?
(バイブ音)
行こう。
もしもし?
もしもし 桂一か?
父さん 珍しいね。
今日 私宛てに書類が 送られてくるはずなんだが
それをそのまま こっちに送ってくれないか?
いや… 俺 今 家にいないし。
ん? じゃあ どこにいるんだ?
母さんから聞いてないの?
ほら 芝居の巡業だって。
えっ 父さん 今どこにいるの?
今日 家 帰ってくるんだよね?
いや 父さんたちは…。
えっ!?
~
怖くない。
怖くない。
~
誰?
(物音)
ハァ ハァ…。 なんで?
桂ちゃん なんで… どうしたの?
無事で… よかった。
なんで ここにいるの?
えっ?
だって サークルの巡業に 行ってたんじゃないの?
行ってたけど 途中で引き返してきた。
なんでよ。
そりゃ だって… 心配だったからに決まってるだろ。
父さんから電話があったんだ。
今日は 帰ってこれなくなったって。
え?
ん?
~
どなた様で?
アンタ… 広瀬桂一だな?
あっ… はい。
手紙は読んだか?
手紙… ってなんの?
ごまかすんじゃねえよ テメエ!
人の彼女に手出しやがって。 な… なんのこと…。
とぼけんなよ! う… 苦しい!
うっ…。
うっ! 桂ちゃんに近づかないで!
うっ…。
やめろ! なんでよ!?
この人 もう痛がってるし
目とか見えなくなっちゃったら かわいそうだよ。
これ以上 桂ちゃんに何かしたら 絶対 許さないから!
うっ…。
アキ… ちょっと どうしたの?
(剛)要するに その男の彼女が
広瀬とのツーショット写真を持ってて
それを見て 浮気を疑ったと。 うん。
でも 普通 これ見て 浮気 疑う?
普通はないな。 だろ?
嫉妬って 怖ぇな。
だよな。
アキ。 ホント 怖かったよね。
トラウマとかにならないと いいんだけど。
結局 勘違いだったし 今は もう怖くないよ。
アキ 強いな。
強くないよ。
のぞかれた日から今日まで ずっと怖かったし。
ホント 災難だったよね。
でも 今回のことで わかったことがある。
何?
一番 怖いのは もっと別のことなんだって。
ん?
く… 苦しい! 苦しい…
桂ちゃんを失うことのほうが ずっと ずっと…。
ん? 今 なんて?
ううん なんでも。
うん おいしい。 うん!
今年 初スイカ。 (珠希)私も。
これ以上 桂ちゃんに何かしたら
絶対 許さないから!
種が…。 うん。
結構 多いね 種。
~
こんな重装備する必要あるのか?
玉ねぎをなめたら 痛い目 見ますよ。
手元 見えづらいんですけど。
間違って 指 切り落とさないでね。
サラッと怖いこと言いますね。
桂ちゃんの肉入りハンバーグは イヤですから。
また 怖いことを…。
晃。 はい?
やっぱり… 子ども 欲しいか?
晃は 子ども好きだろ?
だから 保育士にもなって…。 いらないよ。
えっ?
いらない。 うちには 桂ちゃんがいるから。
こんなに 手のかかる人がいるのに
子どもなんていたら 面倒みきれないでしょ。
私は…。
桂ちゃんがいれば それでいいの。
えっ? ちょっと 何? 汚い。
ティッシュ ティッシュ。
はい。
ゴーグル 意味なかったし。
<晃と二人きり。
秘密基地で かくれんぼしているような
ささやかなぬくもりのある日々が ずっと続けばいい。
あの時も そう思ってた>
晃。
なあ 晃。 今度 お花見行こうよ。
桜キレイだしさ。 ん?
ああ 来週はムリ。
何かあるの?
引っ越すから。
はっ!?
私 この家 出るから。
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