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Original subtitles

(携帯電話)皆さんは 柿森スナックママ殺人事件を➡

覚えているでしょうか?

8年前 都内 柿森市で スナック経営していた30代の女性➡

湯上 幸さんが殺された事件です。

被害者の胸に 十字架が刺さっていたという➡

ショッキングな殺され方で➡

一部では こんな呼ばれ方もしていました。

『歪な十字架』模倣事件。

『歪な十字架』模倣事件。

被害者の名前と殺され方が➡

黒羽ミコの小説 『歪な十字架』と まったく一緒だったことから➡

ネットやゴシップ雑誌などで そう呼ばれるようになったんです。

私は 当時 この事件を担当していました。

そして この事件の犯人として逮捕され➡

現在 服役中の 異口 治は 冤罪です。

僕の家族は 警察に むちゃくちゃにされたんだ!

まさか 同じ事件がきっかけで イップスになるとは…。

まさか 同じ事件がきっかけで イップスになるとは…。

じゃあ 取りあえず…。

2人で 真犯人 見つけちゃう?

そしたら 前に進めるかもよ。

(坂浦)黒羽 慧さん。

森野さんが➡

『歪な十字架』模倣事件を 担当していたことを➡

調べていました。

調べていました。

えっ?

あの人 何か隠しています。

えっ? 何ですか?

突然 申し訳ありません。➡

私 弁護士の黒羽 慧と申します。

久保さん。

『歪な十字架』という小説は ご存じですか?

(シャッター音)

(シャッター音)

<(ドアの開く音) <(樋口)森野さん。

んっ? 見てください これ。

新正 誠は 黒羽 慧のことも 調べていたようです。

何で? 分かりません。

えっ? この女性は?

久保 碧 25歳 職業 事務員。

黒羽 慧とのつながりは まだ分かりません。

久保 碧…。

すぐに 車 回して。 あっ はい。

♬~

(ドアの閉まる音)

♬~

♬~

♬~

♬~

<(はなをすする音)

(ミコ)《まーた ここで泣いてる》

(ミコ)《まーた ここで泣いてる》

《あんた 嫌なことがあると すぐ ここで泣くんだから》

《どうしたの?》

(慧)《姉ちゃん ごめん》

《何で謝んのよ?》

《俺が生まれたせいで 母さんが死んじゃったから》

《何 バカなこと言ってんの! 怒るよ!》

《だって…》 《いいから いいから》

《さあ お母さんのお墓参り行くわよ》

《さあ お母さんのお墓参り行くわよ》

《いつも その店だね。 締美屋の大福》

《お母さんが大好きだったから》

(ミコ)《何? その顔》

《もっと喜んでよ。 せっかく 作家デビューしたんだから》

(慧) 《俺の面倒ばっかり見てたから➡

デビューするのに 時間かかっちゃったんだよね》

《そんなの関係ないよ》

《そんなの関係ないよ》

《これからは 俺が姉ちゃんを守るから》

《やめてよ。 そういうの恥ずかしいんだけど》

♬~

♬~

♬~

(チャイム)

すいません!

(樋口)十字架…。

あっ あれ。

♬~

♬~

♬~

(スピーカー)それは 得意なことが 突然できなくなってしまう➡

心理的症状。

♬~

(自転車のベルの音)

(店員)ああ ミコちゃん! 久しぶり~。

いつも テレビ見てるわよ。 全然 来てくれないじゃない。

忙しいのは分かるけど たまには 顔 見せてよ。

あっ はい。 で 今日は どうしたの?

あの~ ここの大福 食べたくなっちゃって。

あ~ 新しく パクチー大福っていうの 始めたんだけど どう?

あ~ 新しく パクチー大福っていうの 始めたんだけど どう?

パクチー大福…。

でも 今日は いつもの大福で。

そうなんだ。 食べてみればいいのに。

あっ そうそう。 写真とサイン いい?

もう 4枚も書いてんだけどな。

(酒井)え~ 殺害されたのは 久保 碧さん 25歳 事務職員。

(酒井)え~ 殺害されたのは 久保 碧さん 25歳 事務職員。

死因は 胸部をナイフで 刺されたことによる失血死。

知ってる 知ってる 知ってる。 俺ら 第一発見者だから。

ですよね。

死亡推定時刻は 本日の午前11時から11時30分。➡

ちなみに 凶器は まだ見つかってません。

(樋口)被害者の携帯 解析に回しときますね。

うん。

うーん…。 新正に続いて また犯行声明。

(酒井) 「腑抜けた警察組織の人間ども」➡

「8年前 湯上 幸を殺したのは 私だ」➡

「8年前 湯上 幸を殺したのは 私だ」➡

「もう諦めたのか?」

うわっ! これ マジっすかね? でも 待てよ。

胸に十字架が刺さってるから これ マジっすね!

ちょちょ… ちょっと うるさいな。 黙ってて。

はい。 (樋口)どう思います?

うーん… 8年前は こんな声明文なかったのに➡

何でだろう?

何で? うん。

悔しかった… とかじゃないですか?

悔しかった? あっ いや…。

悔しかった? あっ いや…。

8年前 やったのは 自分なのに 捕まったのは 異口 治。

《俺がやった》

《俺が殺した》

《認めるよ》

《これで いいんだろう?》

(樋口)だから 今回は➡

自分がやったって アピールしたく なったんじゃないですか?

なるほど。

にしても これが本当だとしたら 異口 治の冤罪は確定。

警察は大変なことになりますよ。

警察は大変なことになりますよ。

♬~

♬~

♬~

(携帯電話)

森野 どうした? 事件?

いや まあ…。 何?

ミコさん 慧さんが 今 どこにいるか分かりますか?

慧? 何で?

慧? 何で?

いや ちょっと用があって 連絡したんですけど➡

全然 つながらなくて。 え~ 仕事中なんじゃない?

慧だったら 今日 会うかもしんないよ。

えっ?

(携帯電話)一緒に ご飯 食べようと思って うちに呼んでんの。

(携帯電話)(通話を切る音)

森野さん じゃあ 自分は これで。 (森野・酒井)お疲れっす。

(樋口)森野さん 黒羽 慧 事務所 自宅 どこにもいません。

ちょっと思い当たる場所があるから 車 出して。

分かりました。

(酒井)森野さん 自分も行かせてください。

あっ 君 いいや。 了解です。

(解錠音)

<(チャイム)

あっ。

はい どうぞ。

何で 急に来たの? まあ 最近 仲良くなったけど➡

何で 急に来たの? まあ 最近 仲良くなったけど➡

急にさ 家に来ちゃうような 関係でもないでしょ。

まあ そうですね~。

で 用件は?

すてきなお宅ですね。

そうそう。 いいでしょう。 親が残してくれたの。

まあ 慧も一緒に 暮らしてたんだけど➡

弁護士になってからさ 1人暮らし 始めちゃって。

ふーん…。

えっ どうしたの? 森野。 何か神妙な顔しちゃって。

えっ どうしたの? 森野。 何か神妙な顔しちゃって。

実は 今日 ある女性が殺され 遺体で発見されました。

殺し? ええ。

被害者の名前は 久保 碧。

久保 碧って…。 そうです。

ミコさんの小説 『歪な十字架』で➡

湯上 幸の次に殺された人物と 同姓同名です。

その女性の胸にも 十字架が刺さっていました。

また!? ええ。

8年前の事件と 同じことが起きてるってこと?

8年前の事件と 同じことが起きてるってこと?

そうです。 (樋口)被害者は➡

自宅の玄関付近で 亡くなっていました。

部屋の鍵は開いていて 争った形跡もなく➡

おそらく 犯人を 部屋に入れようとしたとき➡

刺されたんだと思います。

つまり 被害者は 犯人に警戒心を持っていなかった。

顔見知りの犯行の可能性が 高いかと。

犯人の目星 付いてんの?

これを見てください。

何これ?

(樋口)黒羽 慧さんと一緒に 写ってる女性が➡

被害者の 久保 碧さんです。 2人には面識がありました。

さらに 今朝11時➡

久保 碧さんの携帯から 黒羽 慧さんへ送信がありました。

これが そのスクリーンショットです。➡

死亡推定時刻は 11時から11時半の間。➡

死亡推定時刻は 11時から11時半の間。➡

その時間に➡

黒羽 慧さんと 久保 碧さんが 接触した可能性があります。

いや… ちょっと待って。 えっ どういうこと?

私たちは 黒羽 慧さんを 容疑者として追っています。

何 言ってんの? 意味 分かんない。

私たちは 黒羽 慧さんを 容疑者として追っています。

何 言ってんの? 意味 分かんない。

慧が そんなことするわけないじゃん。

まあ 信じたい気持ちは 分かりますけど。

森野 マジで 何 言ってんの?

森野だって 慧と会ったことあるでしょ。

ミコさん いったん落ち着いてください。

落ち着いてらんないでしょ! そんなこと言われて。

落ち着いてらんないでしょ! そんなこと言われて。

これを見てください。

現場に残されていた 犯行声明文です。

そこには 今日の事件と 8年前のあの事件が➡

同じ犯人だと書かれています。

ハァ…。

その声明文に 書かれてあるとおり➡

私は 黒羽 慧さんが 8年前のあの事件にも➡

関わっているのではないかと 思っています。

いやいや さすがに それは…。

いやいや さすがに それは…。

8年前の犯人が慧だっていうの?

はい。

森野 いいかげんにしてよ。

黒羽 慧さんは➡

森野さんが 8年前のあの事件の 担当刑事だということも➡

知っていました。

(慧)《8年前 あの模倣事件を捜査してた人と➡

偶然 会うなんて 運命かもよ》

担当弁護士でもないのに➡

慧さんが それを知っていることに 違和感を覚えた私は➡

樋口に 慧さんのことを調べさせました。

樋口に 慧さんのことを調べさせました。

(樋口)《黒羽弁護士》

《あなたが調べた 8年前の事件に関する このファイル》

《ここに書かれていることは➡

警察内部の人間しか 知り得ない情報ばかり》➡

《なぜ あなたが この情報を?》

《ただ 頑張って 色々 調べただけです》

《じゃあ》

すると 慧さんが 異口と 接見していたことが分かりました。

《異口さん》

《『歪な十字架』模倣事件は まだ終わってません》

弁護士と受刑者の接見は➡

警察といえども 内容は聞くことができません。

ただ その接見が終わった後の異口は➡

ただ その接見が終わった後の異口は➡

とても 動揺した様子だったそうです。

慧は この事件のこと調べてただけで…。

冤罪って分かったから 許せなくて向き合ってた…。

ただ それだけ。

殺しなんて 慧が そんなことするわけないでしょ!

ミコさんも知ってのとおり この事件は 私にとっても➡

自分の人生を変えた 大きな事件です。

異口 治が捕まった後も 事件が終わった後も➡

私は この事件の真相を調べ続けました。

私は この事件の真相を調べ続けました。

《異口 治さんについて お聞きしたいんですけども》

《私生活でトラブルなんかは?》 《いや ないと思うよ》

そして プロファイリングしていくと➡

私なりに犯人像が見えてきました。

執着性 完璧主義 歪んだ愛情。

全て 慧さんに 当てはまりませんか?

これは あくまでも推測ですが…。

ミコさんが 小説に没頭すればするほど➡

慧さんへの愛情は薄くなる。

慧さんへの愛情は薄くなる。

すると 慧さんの中で➡

自分より 優先されている小説に対して➡

嫉妬心が生まれる。

それなら あんな小説 なくなればいいという思いから➡

慧さんは 模倣事件を起こしたんです。

もうさ… 何 言ってんの?

そんなわけないでしょう。

だから これは まだ推測です。

だから 推測で 物言わないでよ! 確かに まだ推測です。

しかし 私たちは いつも➡

しかし 私たちは いつも➡

その推測から始まり 事件の真相を突き止めてきました。

ですよね?

真相を突き止めるには 慧さんと話さなければいけません。

慧さんは 必ず あなたを頼ってきます。

何か連絡ありませんでしたか?

(携帯電話)(不通音)

(携帯電話)(アナウンス)おかけになった番号は 電波が届かない場所か…。

(携帯電話)(アナウンス)おかけになった番号は 電波が届かない場所か…。

慧さんは スマホを捨てていました。

スマホの電源を切っても➡

警察が位置情報をつかめることを 慧さんは知っているみたいですね。

♬~

♬~

(施錠音)

♬~

<(解錠音) <(ドアの開く音)

♬~

♬~

連絡がないなら➡

慧さんの行きそうな場所とか 心当たり ありませんか?

どうしました? いや 別に。

本当に 慧さんが どこにいるか 知らないんですね?

だから 知らないって言ってるじゃん。

らちが明かないな。

(樋口)森野さん。 んっ?

(樋口)ここにいても 時間を食うだけです。

ミコさんをお連れして 本庁に戻りましょう。

えっ? よろしいですか?

やだよ。 何で? (樋口)捜査のご協力お願いします。

何 言ってんの。 行きましょう。

ちょっと放して! 放して! (樋口)お願いします 行きましょう。

<(扉の開く音) 何 もう…!

<(扉の開く音) 何 もう…!

やめろ。

何で出てきちゃうの。

俺は やっていません。 話を聞いてください。

分かりました。 詳しくは 本庁で聞きます。

ご同行 願えますか?

そうやってさ また 冤罪 生みたいの?

えっ? 慧の疑いって 状況証拠だけで➡

物的証拠なんか 何一つ ないじゃん。

物的証拠なんか 何一つ ないじゃん。

それで犯人って…。

あっ。 ちょ… ちょっと待ってください。

慧さん。

これは あなたの靴ですね?➡

久保 碧の殺害現場には➡

犯人が残した痕跡が もう1つ ありました。➡

犯人が残した痕跡が もう1つ ありました。➡

これです。

この靴 血が付いています。➡

これが 何よりの証拠です。

確かに 現場には行きました。 でも 違うんです。

はめられたんだ。➡

何者かに 久保 碧に会うように 仕向けられたんです。

説明してもらえますか?

数日前 事務所に封筒が届いてて…。

数日前 事務所に封筒が届いてて…。

(慧)開けたら 久保 碧という名前と➡

住所が書かれた紙が 入っていました。➡

それを見た瞬間 何か 胸騒ぎがして…。

(慧)《私 弁護士の 黒羽 慧と申します》

《久保さん》

《久保さん》

《『歪な十字架』という小説を ご存じですか?》

《『歪な十字架』?》

(碧)《いや…》

《最近 あなたの周りで 変なことは起きてないですか?》

(碧)《もういいですか?》

《怪しいものじゃないです。 弁護士です》

《何かあったら 連絡 下さい!》

今朝 本人から ショートメールが来たんです。

《久保さん?》

《久保さん!》

久保 碧さんが死んでたんです。

これが真実です。

(樋口)うーん…。 その話に証拠はあるんですか?➡

誰が何のために あなたをはめたんですか?

あなたも弁護士なら 分かるでしょう?

そんな根拠のない話 誰も信用しきれないんですよ。

そんな根拠のない話 誰も信用しきれないんですよ。

ちょっと待って。

確認したいんだけど➡

久保 碧の死亡推定時刻って 何時だっけ?

午前11時から11時30分の間です。

そっか。

やっぱり 慧は犯人じゃないわ。

だって 慧には アリバイがあるから。

アリバイ?

ねえ 慧 今朝さ うちのお墓参り行ったでしょ?

ねえ 慧 今朝さ うちのお墓参り行ったでしょ?

何で知ってんの? 私も行ったから。

そしたら 買ったばかりの これが お供えしてあったの。

それ見たら 私さ➡

めちゃくちゃ 締美屋の大福 食べたくなっちゃって➡

わざわざ 買いに行ったの。

《あっ そうそう。 写真とサイン いい?》

《もう 4枚も書いてんだけどな》

《もう 4枚も書いてんだけどな》

《慧?》 (店員)《ああ この人!》

《ミコちゃんの弟よね?》 《うん》

《今朝 お墓参りに行くって 開店と同時に来てくれたの》

《人権王子って呼ばれる➡

有名な弁護士さんに なったんでしょ?》

《あっ この間 ワイドショーに出てたもんね~》

《はい お願い》 《はい》

あそこの大福は お母さんの大好物で➡

あそこの大福は お母さんの大好物で➡

昔 よく買いに行ったんだけど 結構 遠いんだよね。

ねえ 慧。

締美屋から被害者の家まで どれぐらい かかる?

90分以上は かかると思うけど。

車でも電車でも? うん。

締美屋の開店時間は 10時半。 そのとき 慧は あの店にいた。

どんだけ急いでも➡

被害者の家に たどりつくのは 12時。

死亡推定時刻には 間に合わないと思うけど。

なるほど。 確かに。

(樋口)何か 10時半に そのお店にいた➡

(樋口)何か 10時半に そのお店にいた➡

証拠はありますか? 行ってみれば?

お店の人が 証言してくれると思うよ。

じゃあ 何で 現場から逃げたんです?

犯人じゃなかったら 逃げる必要ないでしょう?

それは 警察が信用できないからですよ。➡

今回の事件が 8年前のあの事件と 関連があるなら➡

逮捕されたら 俺も冤罪で…。 (樋口)もう分かりました。

あとは 署で聞きます。

いいですね? 森野さん。 ちょっと待ってよ。

慧が犯人じゃないって 証明できたでしょ。

慧が犯人じゃないって 証明できたでしょ。

大福屋の証言が取れないかぎり➡

容疑者であることに 違いありません。

(携帯電話)(バイブレーターの音)

あっ もしもし。 お疲れ。

いいよ 入ってきて。 うん。

ご苦労さまでした。 もう解決しました。

何 言ってんの?

(戸の開く音) (酒井)あっ どうも。

酒井君?

犯人が分かりました。

(樋口)犯人が分かったって 誰なんですか!?

お前だよ。

お前だよ。

樋口…?

えっ? ちょっと 何 言ってるんですか?

樋口 俺も信じたくない。

ただ 久保 碧の殺人に関して ずっと違和感を感じていたんです。

違和感? ええ。

慧さんが犯人だという証拠が 残りすぎというか。

8年前 湯上 幸を殺したときには➡

8年前 湯上 幸を殺したときには➡

ほとんど 証拠なんて残さなかった犯人が➡

今度は こんなに。

だから 慧さんを 犯人に仕立て上げようという➡

意図を感じたんです。

ホントに俺を疑ってるんですか?

♬~

あのとき 久保 碧の殺害現場で 声明文を見たとき➡

あのとき 久保 碧の殺害現場で 声明文を見たとき➡

お前 こう言ったんだよ。

《うーん… 8年前は こんな声明文なかったのに➡

何でだろう?》

《悔しかった… とかじゃないですか?》

《悔しかった?》 《あっ いや…》

《8年前 やったのは 自分なのに 捕まったのは 異口 治》

《だから 今回は➡

自分がやったって アピールしたく なったんじゃないですか?》

それが何なんですか?

ねえ 悔しいって おかしくない? えっ?

だって 悔しいってことはさ 失敗したってことでしょ。

だって 悔しいってことはさ 失敗したってことでしょ。

真犯人にとって 何が失敗なの?

逃げ切ったわけだし 冤罪だって ラッキーでしょ。

悔しいって 普通 あり得ない発想だよ。

そうなんです。 私は 樋口が すぐさま➡

悔しいと答えたことに 引っ掛かったんです。

(樋口)いやいや だから それは…。 もちろん➡

それだけで お前を犯人だと 決め付けることはできない。

ただ 一度 引っ掛かると➡

どうしても 調べずにはいられなかったんです。

これを見てください。

これを見てください。

♬~

(携帯電話)(シャッター音)

これは 樋口の自宅です。

久保 碧の死亡推定時刻は 午前11時から11時30分。

樋口が 私の前にやって来たのは 12時10分。

<(ドアの開く音) <(樋口)《森野さん》

《んっ?》 《見てください これ》

それまでに 凶器のナイフを どこかに隠さなければいけない。

一番安全なのは自宅。

だから 酒井君に頼んだんです。

(酒井)《森野さん 自分も行かせてください》

《あっ 君 いいや》 《了解です》

《あっ 待って 待って…》 (酒井)《はい》

《ちょっとさ 樋口の自宅 調べてくんない?》

《ちょっとさ 樋口の自宅 調べてくんない?》

《樋口さんの自宅?》 《うん》

(酒井)《おい》

この部屋から 血の付いたナイフが発見されました。

(酒井)鑑識に回したので 結果も すぐに出ると思います。

じゃあ これまで 俺が疑われてたのは?

じゃあ これまで 俺が疑われてたのは?

全て芝居です。

樋口を1人にすると 証拠を隠滅してしまう恐れがある。

だから それができないように ずっと 私のそばにいさせて➡

時間稼ぎをしていたんです。

やっぱり おかしいと思ったんだよな~。

だって 明らかに 慧のこと見つけてんのに➡

見て見ぬふりして。

樋口 おそらく お前は…。

樋口 おそらく お前は…。

<(解錠音)

(樋口)《あっ 警察の者ですが➡

少し お伺いしたいことがありまして》

《はい》 (樋口)《すいません》

(刺す音)

♬~

♬~

♬~

♬~

♬~

《よし》

♬~

<(ドアの開く音) <(樋口)《森野さん》

そして お前は 何食わぬ顔で 俺の前に現れた。

お前がやったんだな?

お前がやったんだな?

お前がやったんだな?

はい 俺がやりました。

何で こんなことしたんだ?

答えろ。

さっきの…。

樋口の部屋の写真 見て 思ったの。

完璧主義 執着性。

歪んだ愛情。

樋口 森野に 認めてほしかったんでしょ?

はい 認めてほしかったです。

はい 認めてほしかったです。

森野さんと同じ部署に 配属されてから➡

頼られたことなんて 一度もなかった。

何か もう だんだん腹が立ってきて…。

この人を見返したい 認められたいって➡

思うようになったんですよね。

それで 人 殺したの?

はい。

はい。

狂ってる。

森野さんでも暴けない事件を 成功させたら➡

森野さんだって 俺のことを認めるでしょう。➡

だから 必死で考えたんですよ。➡

どうやったら 森野さんが悔しがるか。

森野さんが 唯一 認めてるもの。 それは…。

ミコさんの小説でした。

(樋口)自慢してましたもんね。➡

サイン会に並んで サインもらったんだって。➡

サイン会に並んで サインもらったんだって。➡

だから ミコさんの小説をまねしたら➡

面白いんじゃないかと思って➡

登場人物と同姓同名の人物を 探しまくって。

見つけたときは めちゃくちゃ テンション上がりましたね。

(幸)《いらっしゃいませ》

《幸っていいます》

《何 飲まれます?》 《じゃあ 水割りで》

(幸)《はい》

(幸)《はい》

(幸)《うちは 初めてですよね?》 (樋口)《はい》

♬~

♬~

♬~

(樋口)それが 8年前のあの事件。

森野さんが 事件を解決できなかったら➡

俺の勝ち。

ドキドキしたなぁ。

本当は 自首しようと思ってたんですよ。➡

俺がやったことが 分かんなかったら➡

森野さんだって 認めようがないでしょう。➡

なのにだよ…。

あんな くそみたいなことが 起こって。

異口 治の逮捕です。➡

いや… 湯上 幸 あれ➡

いや… 湯上 幸 あれ➡

警察トップの誰かの 愛人だったんですよ。

捜査が長引けば➡

お偉いさんの不倫が 表沙汰になっちゃうから➡

それを もみ消すために➡

異口 治を脅して 供述させたんですよ。

(異口)《もういいよ》 《えっ?》

(異口) 《警察なんて信用できないよ》

《どうせ あんたも 俺のこと疑ってんだろう?》

《いや そんなことは…》

《いや そんなことは…》

《俺がやった》

《俺が殺した》

《認めるよ》

《これで いいんだろう?》

《僕は 異口 治と文香の息子です》

(坂浦)《警察が 父を脅して 自供させたに決まってる!》

(坂浦)《僕の家族は 警察に むちゃくちゃにされたんだ!》

(坂浦)《僕の家族は 警察に むちゃくちゃにされたんだ!》

(樋口) 坂浦君も かわいそうだよな。

ホント 警察って最悪ですね。

ああなったら 俺も自首できなくなっちゃったし。

あれ以降 森野さんも もう駄目駄目で。

《はい》 《聞き込みしてます?》

《ああ… まあ》 《聞き込みなんかしてないでしょ》

(携帯電話)(樋口) 《「ああ まあ」っていうのは➡

(携帯電話)(樋口) 《「ああ まあ」っていうのは➡

後ろめたい人間のする答えです》 《ハハ…》

(携帯電話)《笑ってる場合じゃ ないんですよ》

何か こっちも そういうテンションじゃ なくなっちゃって。

でも しばらくして ミコさんが来た。

♬~

(樋口)驚きました。 ミコさんと出会ってから➡

(樋口)驚きました。 ミコさんと出会ってから➡

森野さんが また 事件を解決するようになって➡

これなら もしかしたら➡

8年前に できなかったことが できるんじゃないかと思って。➡

だから 今回は 慧さんを巻き込んで➡

新正に ネタリークして 写真まで撮ってもらって…。

もういいよ!

あんた 自分が 何 言ってるか 分かってんの?

はい。

ハァ…。 でも まさか 見破られるとはなぁ。

さすがです 森野さん。

さすがです 森野さん。

あと少しで認めてもらえたのに。

でも まあ…。

初めて 森野さんに悔しい顔を させることができたから➡

満足です。

連れてって。

はい。

お願いします。

お願いします。

♬~

♬~

ハァ…。

ハァ…。

何か ごめんね。 私のことで…。

いや 姉ちゃんは悪くないよ。

俺も あの事件に関して かなり核心まで迫ってたから➡

いつか 何かはあると思ってた。

でも 何で 慧が あの事件のこと?

あの事件以来 姉ちゃん 苦しんでたろ?

見てて つらかった。

見てて つらかった。

俺は 姉ちゃんを苦しめるものを 許さない。

お母さんが死んでから➡

俺のせいで 姉ちゃんは ずっと 自分だけ我慢してきた。

けど 本を書くようになって➡

姉ちゃん 見たことないぐらい楽しそうで。

姉ちゃん 見たことないぐらい楽しそうで。

でも あの事件が起きてから➡

何か 逆戻りみたいになっちゃって。

だから この事件を➡

何としても 俺が解決してやろう って思ったんだ。

そっか。

ありがとう。

姉ちゃんは 俺が守る って言ったろ。

姉ちゃんは 俺が守る って言ったろ。

だから それ 恥ずかしいって言ってんじゃん。

(笑い声)

でも もう これ以上 この件に関しては 大丈夫だよ。

いや やめないよ。

言ったでしょ。 かなり核心まで迫ってきたって。

俺は 異口さんが釈放されるまで やめない。

俺は 異口さんが釈放されるまで やめない。

だから 姉ちゃんも 書くの やめるなよ。

当たり前でしょ。

私は 何があろうと 絶対に 小説 書くのは やめない。

こんなんで やめたら 悔しいじゃん。

もがき続けたら 絶対にリスタートできるはず。

もがき続けたら 絶対にリスタートできるはず。

大丈夫。

んっ 食べなよ。

うん。 いただきまーす。

んっ? 何これ? 草大福じゃないの これ。

パクチー大福だって。 パ パ… パクチー!?

うん。 パクチーっつった?

お~ なるほどね。

お~ なるほどね。

確かに。 うん。

パクチーだね。 パクチーだね。

パクチー以外の何ものでもない。 パクチーだね。

♬~

♬~

♬~

父さん。

猛。

♬~

バカ野郎。

バカ野郎。

♬~

♬~

(はなをすする音)

お待たせしてしまい 本当に申し訳ございませんでした。

ずいぶん 時間がかかったな。

ありがとう…。

(遠ざかる足音)

(萩原) あっ そうそう ミコちゃん。➡

今度さ 俺がMCの 特番があるんだけどさ➡

よかったら 出てよ。 (初田)どんな番組なんですか?

いや ミコちゃんみたいにね 普段 偉そうなタレントが➡

いや ミコちゃんみたいにね 普段 偉そうなタレントが➡

若いギャルたちに 逆に説教される っていう番組なんだけどさ。

いや~…。 そういうのってさ➡

見てて 胸がスッとして 面白いじゃない。

もう 絶対ウケるからさ 出てよ。 それは ちょっとね~。

やります。 (萩原)あっ そう。

若いギャルに ボロクソ言われんの 嫌なんだけど 私。

いいじゃないっすか。 ミコさんは タレントとして➡

新しいフェーズに 入るべきなんですよ。

そうそう フェーズ! タレントとしてのフェーズよ!

タレントじゃなくて 小説家です。

どう? 黒羽ミコ 5年ぶりの新作。

どう? 黒羽ミコ 5年ぶりの新作。

ん~。 「ん~」って何? 「ん~」って何?

面白くないから 言いづらいから➡

そういうふうに考えてるふり してるだけなんでしょ。

ノモリにな 話すんじゃなかったな。

ノモリに言うと 何でも つまんない つまんないって言うの。

いや 別に 「ん~」に深い意味はないですよ。

まあ でも つかみは悪くないですよ。

よさげな感じです。

「つかみは悪くない」とか 「よさげな感じ」って何?

だって まだ 10ページしか 書いてないじゃないっすか。

10ページしかじゃない。 10ページもだよ。

私にしてみりゃ すごいことなんだよ。

書くってことは。 まあ そっか。

でもね 続きが 何か 書けなくなっちゃってんだよな。

でもね 続きが 何か 書けなくなっちゃってんだよな。

あっ ラムネのくだり よかったでしょ? いやこれ まんま私じゃないですか。

森野をモデルにする って言ったじゃん。

最近 食べてないですからね ラムネ。

何で? 現場 行けてないの? いや 一応 行ってはいますけどね。

ああ いるだけのやつね。 失礼だな。 もがいてるんですよ。

そっか。 まあ 休み休み いこう。

(携帯電話)(バイブレーターの音)

あれっ? 出ないの?

あれっ? 出ないの?

いや 新しい管理官と 馬が合わないんですよ。

あるよね~。

まあ でも そろそろ行きます。 お茶 ごちそうさまでした。

森野! えっ?

何してんすか? 取材!

はぁ? 「はぁ?」じゃないよ。 行くよ。

いやいや… 何 当たり前のように 言ってんすか。

取材したい…。 マジっすか。 勘弁してくださいよ。

小説を書きなさいよ。 あ~ そうだ!

何すか? ポシェット忘れちゃった。

先 行きますよ。 これ 大事なんだよね~。

先 行きますからね。 待って! ちょっと待って!

先 行きますからね。 待って! ちょっと待って!

森野!

[『イップス』の…]

[そして…]

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