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Original subtitles

・~

(ナレーター)

この世に人間が現れる はるか前>

ドロドロと溶岩のように

漂い流れておりました>

4つの大陸ができました>

とうしょうしんしゅう

東勝神洲の一部に山がありました>

かかざん

何万年たったことでしょう>

不思議な石が生まれました>

まるで霊魂でも

宿っているかのようでした>

・『モンキー・マジック』

・~

・~

どら

・(太鼓と銅鑼の音)

(太鼓と銅鑼の音)

・(太鼓と銅鑼の音)

(山神)また お呼び出しじゃ

(山神)

行かんと えらいことになるぞ

(太鼓と銅鑼の音)

せいえいだいおう

(聖嬰大王)やめい!

待てい!

(聖嬰大王)おい 貴様

(山神)わ… 私ですか?

お前 今 俺の顔見て笑ったな?

(山神)笑うなんて そんな…

この顔で

笑ってねえってのか この!

(殴る音)

アアッ!

(殴る音)

ウワッ!

かえんざん

いいか 俺さまはな 火焔山で

300年 修行してきてるんだ

若いと思って なめてやがると

ただじゃおかねえぞ こら

(山神)そりゃもう

重々 承知しております

あなたさまは

きっと お父上のように・

その名を

天上天下に鳴り響かせること…

おい 貴様 なんだって いちいち

おやじ

親父出して 引き合いに出すんだ?

俺は俺だよ!

(殴る音)

六健将

(六健将)おう

こいつらのねぐらを

全部 たたき壊せ 分かったな?

(六健将)おう

・~

・~

とう

ちょうあん

は

いくせいそう

早や幾星霜>

さいてん

苦難の旅は

いつ果てるとも知れません>

さんとうごうざん

鑚頭号山のふもと>

通り抜けられるでありましょうか>

きゅうじょか

(急如火)見張ってろ

きび

(其美)

あ~あ こぼさないでください

うまい

(其美)そうですか?

(聖嬰大王)うん

早く来やがらねえかな 唐の坊主め

(其美)誰のことです?

さんぞうほうし

うん? 三蔵法師といって・

数年前に お経を求めて

てんじく

天竺へ旅立ってるはずなんだ

だが ここを通りかかったら

年貢の納め時だな

どうするおつもりです?

決まってるじゃないか

蒸し焼きにして食っちまうのさ

そうなりゃ 俺さまは有名になる

ぎゅうまおう

親父の牛魔王よりもな

誰も

ばか

俺さまを馬鹿にできなくなるんだ

誰も

あなたを馬鹿になどしていません

いいや しているんだ

いちいち 親父の牛魔王と比べてな

俺のことを馬鹿にしてる 陰で

笑ってる ちゃんと知ってるんだ

だから どうでも その坊主を

食らって 万年の生を得るのよ

お願い やめてください

そんな恐ろしいこと…

もう誰にも馬鹿にはさせんぞ

うん 今日は すこぶる機嫌がいい

其美 かわいがってやろう

・(急如火)大王!

大王さま!

(聖嬰大王)静かにしろ!

(急如火)すいません…

何の用だ?

はい それが… 三蔵法師の一行が

やって来たんです

なに・ とうとう来た?

どうして 早くそれを言わねえんだ

この まぬけが!

(殴る音)

来い!

はっかい

(八戒)ああ 腹減った

俺 もう動けねえ

何か食い物 探してこい

ごじょう

(悟浄)ええかげんにせえよ お前は

さっき あそこで・

いただいたばっかりやないか

ほんまに

しゃあないやっちゃな ほんまに

(三蔵法師)あっ!

ごくう

ご… 悟空

あれは… あれは何です?

・~

何だ? あれ

やつ

なんと ぶざまな奴らが

守っていることよ フフフフッ…

今に驚くなよ

ウ~ン… こりゃ分かった

素通りの妖怪や 大丈夫

(悟空)素通りの妖怪?

おう

人に害を加えるということは

ないと思うから

それじゃ お師匠さま

出かけましょうか 行きましょう

さ

おいおい 沙悟浄 本当に

素通りの妖怪なんてのがいるのか

なんや 悟空

お前 そんなことも知らんのか

いや 初耳だな 「素通り」ってのは

ええか よう聞けよ

山の魔王が宴会を開いたとせい

そしたらやな

あっちの妖怪 こっちの妖怪

これ みんな 招待するわ

うん するする

なっ? 招待された妖怪どもは

宴会のことで頭がいっぱい

そうすると おのずからやね

ほかのことには・

一切 気がつかないということやね

分かったか?

ようかい

「了解」しました

よしよし 行こう

頭がよくなったな こりゃ

なあ その妖怪の中にはよ

女もいんのか?

そら まあ 女もいるやろうな

ああ そうか それじゃ

俺も ご相伴にあずかりてえな

お前っちゅう奴は

すぐ それやからな

一体 女の どこがええねん?

いいものは いいんだよ

いいものは!

女で苦労するというのは

大体 あほなんや

わいは

そんな あほなことは 一生せんぞ

・(風の音)

怪しいな… 来るぞ こいつは

八戒! 悟浄!

(白馬のいななき)

・~

おい お師匠さまは?

えっ?

お師匠さまは・

あら やんだな

お師匠さま?

あれ? さっきまで いたけどな

えっ・ おい 悟浄 お師匠さまは?

いはらへんのや

(悟空・八戒)えっ?

おおかた 今の風で

きゃしゃ

華奢なお人やから どっかへ飛んで

いってしもうたん違うやろうか

のんきなこと

言ってる場合じゃねえよ 捜せよ!

お師匠さま!

(八戒)お師匠さま お師匠さま

こりゃ

妖怪に さらわれたに違いねえや

だけどよ どこの妖怪が

さらっていったんだよ?

おかしいな ここらの妖怪は

素通りの妖怪やから・

宴会で大忙しのはずなんやけどな

よし 俺にな 任せとけよ

(口笛)

はい!

よし いくぞ!

それ いけ!

・~

おい 出てこい!

聞きたいことがあるんだ おい!

たいせい

お呼びでしょうか 大聖さま

めえ

何だい? お前たち 土地神だろう

これじゃ

貧乏神みてえじゃねえかよ

そうなんです! お聞きください

この山を

最近 牛耳っている妖怪のために・

難儀しておるんでございます!

その妖怪 何て名だ?

火焔山で300年

修行した聖嬰大王と申しまして

おさなな

こうがいじ

幼名は紅孩児とか

紅孩児?

じゃ 牛魔王の せがれだろう?

なぁんだ 牛魔王の

せがれだったら 俺とは縁続きだ

500年前 俺と あいつとは

兄弟の契りを結んだんだ

(山神)さようでございますか

それはそれは…

…で その せがれってのは

一体 どこに住んでんだ?

こしょうかん

(山神)枯松澗という谷の近くの

かうんどう

火雲洞という所なんで

・~

悟空

えらい ものものしい警戒やな

大丈夫だって

そやけどやな

お前 兄弟の契り結んだ言うても

500年も前のこっちゃろう

そんなもん

あんばい

せがれに塩梅 通じるか?

俺たちの契りってのはな

何百年たったって

消えることはねえんだ

そうか ほんならな

このことは そっくりお前に任すわ

わし ちょっと なんか馬のことが

心配になってきよったから

ああ そうかい 分かったよ

八戒 お前 行くか?

うん…

うまそうだな ぽちゃぽちゃしてて

やわらかそうで フフフッ…

お前たち

この坊主 裸にして ごしごし磨け

あか

垢ひとつ残すんじゃねえぞ

お前たちは せいろの用意だ

早速 蒸し焼きにする

・(急如火)大王!

(聖嬰大王)おう

こうこうきん

(興 掀)大王 大変です!

(聖嬰大王)何だ?

(急如火)

猿みたいな奴と豚みたいな野郎が

師匠を返せって

わめいてやがるんです

そん

ちょ

そいつら きっと孫悟空と猪八戒だ

よくも まあ 嗅ぎつけやがったな

おい 紅孩児 早く出てこいよ!

フフフッ… おい 聖嬰大王さんよ

孫悟空さまと猪八戒さまの

お出ましだぞ この野郎!

ハァ… 何者だ?

そこで ほざいているのは

何だ? あの野郎 ええ?

(八戒)まだ はなったれじゃねえの

幼い顔しちゃって

はなったれ? 幼い顔?

ちゃんと聞こえてんだ

俺は そういうこと言われると

いちばん頭に来るんだ!

お前たちは誰なんだ!

俺だよ 俺・俺・俺 孫悟空

俺は弟分の猪八戒だ ああ?

その2人が

この俺さまに何の用だ?

お前が ちょっと

さっき さらってったさ

お師匠さま

返してもらいてえんだよ

親戚の よしみじゃねえか

おい

なっ? 甥っ子

この きちがい猿め

親戚が聞いてあきれるわ

ええ? なにが甥っ子だ

まあまあ まあまあ

ちょっと落ち着けよ

お前は知らねえだろうがな

500年前に

俺は 天宮で大暴れしたときによ

お前の父親の牛魔王と

兄弟の契りを固~く結んだんだ

そりゃよ そんときは お前は まだ

おぎゃあとは生まれてなかったよ

でも 俺の甥御であることには

変わりねえんだ

親父は親父 俺は俺だよ!

その上 500年も昔の話なんか

俺には全く関係ねえや

おいおい

そんなこと言っていいの?

親父さんに知れたら

あんた 全く格好つかないよ

黙れ! なにが親父だ

とっとと うせろ!

何だ? この

1人で興奮しちゃって

おかしいですね

突っ張んのは いいけどな

お前 後悔するぞ

後悔? ハハハッ…

天と地と

風と木と土と水の精霊にかけて

三昧 三昧

何だい? ありゃ

三昧 三昧 三昧 ボーッ!

アアッ!

あちっ!

ウワッ! あちあちあち!

・~

八戒 駄目だ! 逃げろ!

やれやれ! やっちまえ!

・~

・~

・~

・~

しゃく

しかし 癪に障んな あのガキは

うん

兄貴

あの妙ちくりんな火 始末しねえと

俺たち

手も足も出ねえんじゃねえか?

こうなったら

そうせいそうこく

相生相克の理でいくしかねえな

何だ? それ

お前には ちょっと難しかったな

つまりは

つえ

水は火よりも強えってことだ

竜宮へ行って 水軍の応援を頼もう

(聖嬰大王)ハハハハッ…

さあ 食え! もっと食うんだ

食って食って 体中から においが

立ち上がるまで食いまくれ

ハハハッ… うまそうだ

むりうん

(霧裏雲)大王

(聖嬰大王)何だ?

また悟空の奴が現れました

(聖嬰大王)なに? また来た?

チッ… 性懲りのねえ猿だな

聖嬰大王 出てこい!

また来たのか 馬鹿が!

この野郎…

子供だと思って手加減したが

今度は そうはいかねえぞ

血の巡りの悪い猿め

黒焼きにされるまで分からんのか

おう 分からねえな

わけ

若えの やってみな

カッ! 天と地と

風と木と土と水の精霊にかけて

三昧 三昧 ボーッ!

ウウッ…

おい 今だ! ほれ!

じゃ お願いします

(悟浄)大丈夫でっしゃろな?

りゅうき

(竜鬼)任せておきなさい

カーッ!

(水の音)

よしよし その調子! いい調子!

・~

あら? 消えねえな

あかんわ

水が上に上がっていくがな

どないなってますのや? これ

ああ

どうやら あれは三昧の真火ですな

私どもには消すことができません

あの火を消せるのは 観音さまが

お持ちの甘露水だけですな

甘露水?

エイッ!

あつっ!

アアッ! あちあちあち!

この野郎!

アッ…

アア~ッ!

あっ 落ちちゃった

(八戒)行くべ!

・~

あっ!

どうしたんですか?

しっかりしてください!

よいしょ… どうしたんですか?

大丈夫ですか? 大丈夫?

よいしょ よいしょ よいしょ…

しっかりしてください! よいしょ

あっ…

よいしょ

(八戒)あっ!

あららら… さあ よいしょ

・~

1 2… もうちょっとよ

(八戒)あっ いた!

(悟浄)いた!

あらぁ 悟空

(悟浄)悟空 悟空

あら こちこちだよ おい あらら…

(悟浄)おい

ちょっと待て

よっと!

よいしょ よいしょ よいしょ

ほら 座ってごらん 悟空

あら? そうか

(力み声)

おい 悟空 おい

(八戒)悟空 悟空

やっこいとこ

全然 ないんだもんな

まだ脈がありますから大丈夫です

手足を伸ばして

座禅を組ませてください

(八戒)はい

よっ! ほれ この野郎…

ほんで… ほら よいしょ はい

(手が当たる音)

あいた!

悟浄 お前 何やってんだよ

手伝えよ ぼけっとしてねえで

この おたんこが

ほいで

組ませて どうするんですか?

(其美)

あんま

按摩禅法を施して 体を温めれば・

正気に戻ると思いますので

(八戒)あらら… いや ちょっと…

それ ちょっと親切すぎませんか

(其美)いえいえ

(八戒)いけない いけない

そういうことしたら

でもね… 大丈夫ですよ

疲れませんか?

いいえ

(悟浄)おい! こら!

大丈夫なんですよ こいつはですね

まね

死んだ真似がうまくてね

へんげ

72の変化の術を使うんですよ

だから 72の命があることに

なってるわけなんですから

大丈夫ですよ 大丈夫

お前は あっち行っとけ!

(八戒)痛いな もう…

お師匠さま…

あら 声が出た あら…

おい 兄貴 分かるか? 分かるか?

いや しかしな

兄貴は 死んでも生きててもよ

お師匠さまのことばっかり

考えてんだな 偉いな 感心だ

兄貴 もっと何か

しゃべってちょうだい ほら 兄貴

どうしたらいいんだろう?

ほれほれ

これこれ

ぐい~っと ほら ほらほら

あっ… お前たち ここにいたのか

うん

えれえ目に遭っちゃったんだよ

どこも けがなかったか?

うん けがは ないようだけど…

体中の骨が痛くて…

(八戒)ふ~ん…

誰か この…

無理やり折り曲げなかったか?

フフフッ… 軽くな

いてて…

あれ? このお嬢さんは?

其美と申します

(八戒)そう 其美さんっつってな

兄貴のこと助けてくれたんだぜ

お礼 言いなさい

お礼 言いなさい ほら

そりゃ どうも かたじけない

恩に着ます…

(八戒)あ~あ 本当に

ぺたっとなっちゃって もう…

首の骨が硬くなっちゃってんだよ

どうぞ そのままで

あっ どうも

そんなに さすらないでください

そんなに さすったら

本当に あれですもん…

ももをちょっと さすってください

いや! やめてよ さするのは

じゃ 何か温かいものでも

お作りしますわね

そうですよ 手伝いますから

ももだって この!

待て待て! 待て待て

(八戒)何だよ? この野郎

そんな すけべな顔をするな

すけべって

なんちゅうこと言うんだよ

聞こえたら どうすんだよ

恥ずかしいなぁ

いやらしい顔しやがって ほんまに

これは わしが行くわい

(火吹き竹の音)

ちょっと ちょっと

そんなんしたら いかんって もう

いえ 私 やりますから

(悟浄)いいから いいから

(火吹き竹の音)

今ごろ

お師匠さん どうしてんだろうな

もう食われちまったんでねえかな

あの火 消さないかぎり

どうしようもねえだろう

とうかい

あの東海の竜鬼さまの話だとよ

あの火 消せるのは・

ぼさつ

菩薩さまがお持ちの

甘露水しかねえんだってな

また菩薩さまに頼るのか…

気が引けるな もう

ウ~ン… 気がもめるなぁ

どうしてんだろうな 其美さん

ああ いっちょう

いいとこ見せてやっかな

よう 悟空よ

きんとんうん

お前 その体じゃ 斗雲に乗るのは

ちょっと無理だろう

俺が 斗雲に乗って 菩薩さまの

とこへ頼みに行ってくるか

ああ 八戒 そうしてもらえると

ありがてえんだがな

それから

菩薩さまに お会いしたときな

お前 急に顔上げるなよ

その顔 急に見たら

菩薩さまだって倒れるから

徐々に上げてけ

・ 友達みてえに

しゃべるんじゃねえぞ

・ 菩薩さまのほうから

お尋ねがあったら・

化け物の名と所を申し上げるんだ

・ とにかく 三蔵法師さまを

助けてもらうように お願いすんだ

(悟浄)あの… ちょっと

いっぺん味見してくれはりますか

(其美)はい

おいしい とっても

いやぁ 走る走る!

いや 飛んでるなぁ!

あら?

あら? 何だべ? あの光は

よし 行ってみっぺ 降りるど

ウワッ!

こら!

急に降ろすんじゃねえ この!

あっ これはこれは 菩薩さま

猪八戒でございます

かんぜおん

(観世音菩薩)そちは 三蔵法師の

供をしておらなんだのか?

はい

それが そうなんですけれども

お師匠さまの

お供をしておりましたらば

あの… ほら ほれ…

あっ 枯松澗の火雲洞っちゅう所に

行ったんでございますけれど

そしたらば あの…

聖嬰大王っちゅう

はなたれ妖怪に会いまして

それで その はなたれ妖怪を

さらっていったんで… あら?

さらって… さらっていったのは

どっちだと思いますか?

違いますよ

お師匠さまが さらわれたんで

ございますよ ですから

また さらわれたのですか…

そちたちは

一体 何をしてるのです?

申し訳ございません

大体

ドジなんでございまして 悟空が

ほいで 悟空と俺とで その…

行ったんでございますが 戦いに

ところが そいつがですね

三昧の火っていうのを使いまして

ほいで ボーボー ボーボー

やるもんですから

どうにもこうにも なんなくて

また それが…

あの… 菩薩さま ともかく

お師匠さま 助けてくださいませ

(菩薩)さてもさても

おかしなことがあるものよのぅ

あるじ

火雲洞の主は…

(聖嬰大王)殺生などする者では

ないはずですが

きっと

そちたちが怒らせたのであろう

あら? 声が変わったな

難しく言うと 変声期か?

あら!

(聖嬰大王)馬鹿

お前たちの打ちそうな手ぐらい

とうに分かっとるわ 馬鹿

はなたれ 謀ったな!

(聖嬰大王)捕まえろ 捕まえろ

その豚は お前たちに

食わせてやるぞ ハハハハッ…

こりゃ いかん

こいつは縁起がよくねえや

どうしたのです?

八戒の奴が

妖怪に ひっ捕まったらしい

なぜ分かるのです?

あいつが助けを呼ぶ声がな

今 生ぐさ~い風で

俺の顔をなでてったんだよ

俺 ちょっと

様子を見に行ってこなくちゃ

でも そのお体では…

そりゃ 駄目だ

あいつは こういう危ねえ橋は

渡らねえ主義なんだ

あっ ほら…

悟浄

俺… あいたた…

あのな 俺

ちょっと 八戒が気になるんだよ

火雲洞まで

様子を見に行ってくるから…

ああ 分かってる 分かってる!

お前 そういうこと嫌いだもんな

ああ

俺が行ってくるからよ

いて

痛えな もう 本当に…

じゃ 行ってくるから

(其美)気をつけて

うんりむ

(雲裏霧)おい どうする?

やはり 牛魔王のおやじさんに

お知らせしといたほうが・

よいと思うんだがな

(霧裏雲)そうだな

あとあとのこと考えると

そのほうがいいかもしれんな

いや そりゃ いかん

もし ばれたら どうなる?

俺たち6人 どうなるか分からんぞ

かいじょふう

(快如風)まったく

あの だだっ子ぶり

めちゃくちゃだからな

(聖嬰大王)おい お前たち

何をこそこそ やっておる?

いいか 獲物のこと

誰にも漏らすんじゃないぞ

特に 親父の牛魔王にはな

ここで親父に割り込まれたんじゃ

どうにもならん 分かったな?

働き者になっております>

もう結構ですよ 休んでください

いえいえ

私ね 今日っちゅう今日はね

徹底的に 1年分 全部

割ってしまいますから

任せてください

(其美)どうも すみません

あの…

あの… 今からね また ちょうど

また やろうと思ってたんです

いや もういいんです

早く逃げてください

どうしたんです?

(其美)訳は聞かないで

さあ 早く 逃げてください!

(悟浄)そうですか ほな ちょっと

待てよ…

早く逃げてって言うたけど

なんで わしが逃げんならんのや

どうも納得いかんな これ

其美 其美 いるか?

其美 其美… ああ

喜べ 其美

やっと 唐の坊主を捕まえたぞ

これから

ゆっくり賞味することにした

お前も一緒においで

(其美)そんな恐ろしいこと 私は…

(聖嬰大王)何を言うか

お前にも一緒に万年の生を

授けてやろうと言っているんだ

俺だけ長生きしても

つまらぬからな

さあ 来い 一緒に

(其美)そんな…

いいから 来い

(其美)大王さま お願いです

大王さま おやめください!

(聖嬰大王)何を言っとるんだ

うまそうだぞ 見るからに

(其美)とんでもない!

いいから わしの言うとおりに

すればいいのだ

その心境 いかばかりか>

お話 変わって こちらは孫悟空>

(毛を抜く音)

エイッ!

(息を吹く音)

たか

(鷹の鳴き声)

ええい はなたれ大王め

親父の怖さを教えてやるぞ

どうだ 見ろ

さかな

これが今晩の酒の肴だ

見るからに ぽちゃぽちゃしてて

うまそうだろう?

やめてください こんな殺生は

なぁに お前だって

ひと切れ食えば 考えが変わるさ

こんなことして 何になるんです?

俺の力を

見くびっている天上天下の奴らに

思い知らせてやるのさ

何しろ これだけの坊主の肉を

食らった奴は・

今までに誰もいないんだからな

(其美)やめてください!

あなたは間違ってます

こんなことでしか

自分の力を示せないんですか?

どういうことだ?

あなたは だだっ子です

世の中をひがんでるだけです

やかましい!

(殴る音)

何だ? その目は

・(快如風)大王

(聖嬰大王)何だ?

・ お父上がお見えです

(聖嬰大王)なに・

チッ…

どうやって嗅ぎつけたんだ?

俺の部屋に通しておけ

あっ 父上

ハハッ… ご機嫌久しゅう存じます

(牛魔王)

よう せがれ 何年ぶりかのぅ?

かれこれ

100年以上にはなりますか

(牛魔王)

ああ もう そんなになるか

いやぁ しかし

お前も なかなか立派になったのぅ

…して 父上

今日の突然のお越しは?

(牛魔王)せがれよ

三蔵法師を捕まえたそうだな

どうして それを?

わしに食わせてくれるのは

ありがたいが

せがれ 手を引け! 引け引け

(聖嬰大王)はぁ?

(牛魔王)その三蔵法師は

孫悟空の師匠であろう

あやつは昔 天宮で大暴れをした際

ぎょくてい

玉帝の天兵を10万も遣わしたが

とうとう

捕まえることも かなわなかった

奴のご機嫌を損ねるのは

愚の骨頂だ

父上は 昔と

少しも変わっておられませんな

私のやることに

いちいち水を差して

それをおっしゃるために わざわざ

こんな所までいらしたんですか?

なにも

水を差して言っているのではない

お前の身を案じて言っておるのだ

ハハハハッ…

いやいや あの猿なら心配無用です

奴とは

今まで2度ほど渡り合いましたが

私の三昧の火を食らって・

ほうほうの体で

逃げ去ったぐらいですから

いいや 侮ってはいかんぞ

奴は

70般の変化の術を心得た鉄胆

やから

銅心の輩であることを

忘れてはいかん!

やけに肩を持つようですが

奴と兄弟の契りを

結んでいるからですか?

まあ そういうことだ

うそ

(聖嬰大王)嘘だ!

奴に おじけづいているからだ

大体 父上は今まで・

兄弟の契りなどとは無縁に

暮らしていたじゃありませんか

まあ そう怒るな

実はな せがれ

わしは ここしばらく

精進を守っておるのだ

精進・

(牛魔王)さよう

カッ! 精進!

(聖嬰大王)やめだ やめだ やめ!

宴会は あしたに延期だ

きんこうこう

(掀 興)あしたに?

(聖嬰大王)父上は

近ごろ 養生なさっているそうな

なんとか出し抜いてやるからな

・(笑い声)

(牛魔王)さよう 月に3度の

かのと

辛の日と それに6日じゃ

かのととり

今日は辛酉の日で

精進の日に当たっておるのじゃ

3~4日 精進したって

罪滅ぼしにはならねえのに

昔やってた悪事を

考えてみろってんだ

せがれ!

(聖嬰大王)何でしょうか?

フフフッ…

明日の楽しみに 三蔵法師を

見ておきたいのじゃがのぅ

お師匠さま 早くお逃げください!

そなた そんなことをして…

其美 何をしておる お前 この!

(殴る音)

アアッ!

やめろ! やめんか!

こんな かわいそうなことをして

かわいそうではないか!

あっ お前は!

アアッ!

うん?

せがれ これが三蔵法師か

かた

なにが 「せがれ」だ この騙りめ

悟空 お前の姿は もう…

これ

親に向かって なんということを!

馬鹿 ばれてるのが分からんのか

おい 坊主を連れていけ

(六健将)はっ!

おい どこへ連れていく?

親不孝者め!

悟空 悟空 早くお逃げなさい!

お前の本性は

もう見えているのです!

(息を吹く音)

(笑い声)

みんな!

待て! 慌てるな 慌てるな!

慌てちゃいかん

(手をたたく音)

(笑い声)

これで どうだい!

くそ…

天と地と

風と木と土と水の精霊にかけて

三昧 三昧…

三昧じゃねえや この三枚目

この女が先に丸焦げになるぞ

いいか 明朝 日の出の刻限

この女と師匠と八戒の交換だ

場所は 鑚頭号山の頂上!

あばよ

ああ 駄目 駄目 駄目!

(笑い声)

ごめんよ

クッ… おのれ…

おのれ 化け猿 覚えておれ!

(悟浄)すいません

こんな目に遭わせてしもうて

(其美)いえ いいんです

悪いのは あの人のほうですから

そんなふうに言われると どうもね

(其美)あの人

ひねくれてしまったんですわ

反抗していないと

自分が確かめられなくなって…

お父さまや お母さまに・

一度も心底から

甘えたことがなかったみたい

本当は 寂しがり屋で

甘えん坊で 気が弱くて…

結局 愛情に飢えてるんですわ

だから せめて

私だけでも分かってあげないと・

あの人 駄目になってしまうんです

分かる!

分かるよ 其美さんの気持ち

でもな 愛に飢えてるなら…

いや 愛を得たいならな

まず

自分の愛を尽くすことやないか?

精いっぱい真剣に 相手に対して

あいつに そんな芸当が

できるんか? あんな乱暴な奴に

しかしね 世の中には・

そういうことが

ちゃんとできる男がいるんですよ

例えば あんたの すぐ近くに…

其美さん…

いやぁ ハハハッ… 土地神たちも

みんな 賛成してくれてな 悟浄

あっ そうだ

さあ 食べな ねっ?

悟浄 はい

(悟浄)わしゃ要らんわい

しかし あんたも因果だよな

あんな はなたれの女房になってさ

(悟浄)ええやないか!

あいた!

其美さんが誰を好きになろうと

放っといてちょうだいよ!

そんなもん

悟空 お前は悪党やな

命の恩人を こんな目に遭わせて

目的のために

手段を選ばんっちゅうのはな

下劣じゃ!

・~

そろそろ夜明けだな 悟浄

・~

早く女を放せ

そっちこそ

師匠と豚1匹 放してもらおうか

放せって言ってますけど

お前は黙ってろ

(八戒)はい

どうぞ

行け

(八戒)どうも

だま

ハハハハッ… 騙されたな 悟空

あっ…

石か!

おい

(其美)えっ?

見ろ 坊主と豚は ここだ!

兄貴!

騙しやがったな

馬鹿 猿を騙すなど簡単なことだ

おい やってしまえ

土地神 今だ!

(地鳴り)

・(山神の笑い声)

・~

・~

痛い! 痛い痛い痛い!

いてて…

やい

今日という今日は 仕返しするぞ!

よくも

ひどい目に遭わせてくれたな!

覚悟しろ!

(聖嬰大王)痛い痛い痛い…

おい 助けてくれ 痛いよ

助けてくれって

よく言えんな この野郎!

よくも ひどい目に

遭わせてくれたじゃねえか!

(殴る音)

いたっ! 痛いよ!

このまま

閉じ込めてしまうのですか?

ええ 土地神たちは・

悪さができねえように

始末してくれっていうんですよ

殺してしまうのか・

げすやろう

お師匠さま こんな下衆野郎は

早く始末するに限りますよ

お師匠さま お慈悲でございます

どうか

命ばかりは お助けください!

どいてくだせえ! こいつめ!

人間の女の出る幕じゃねえ!

お慈悲でございます!

お命を お助けください!

お願いでございます!

お助けください!

お師匠さま

わいからもお願いします

どうか

命だけは助けてやってください

悟浄

お前 本気で言ってんのかよ?

お前 俺たちが あの野郎に・

どんな ひどい目に遭わされたか

分かってんのかよ お前

お願いします どうか改心する間を

与えてやってください

改心って お前

あれが改心するわけねえべ お前

うるさいねん お前は!

お師匠さま お願いします!

・~

(其美)お助けください!

今度ばかりは お許しください!

お願いします!

お願いします! お助けください!

お師匠さん どうします?

2人に頼まれちゃね

・~

これに懲りて

心を入れ替えるのならば・

助けてしんぜましょう

おい 悟浄!

おい 所詮な 力で無理押ししても

思いどおりにならないってことが

分かったか?

よく分かりました

お前 すぐ分かっちゃうんだな

子供みてえな奴なんだから

おい 引っ張ってやれ

おう

痛い痛い 痛い痛い痛い! 痛い…

ありがとうございました!

(聖嬰大王)其美 ここ痛い…

(悟浄)おい

おい よう聞けよ

お前が助かったんはな

何もかも この人のおかげやぞ

(聖嬰大王)分かってます

其美 痛い ここ…

(其美)フフッ…

聖嬰大王

これから心を入れ替えますね?

はい

いいか 分かったな?

はい

声が小さい!

はい!

・~

・~

お前 何か落とし物しねえか?

(悟浄)何にもないで

ええっ? 大変なもの

落としたんじゃねえのか? お前

ようようよう 例えば

あの其美さんみたいな人よ うん?

しょうもないことをな

言うてんなよ お前

言うてんなよっちゅうて

お前 顔が赤くなってるんだもの

顔が赤いんだもの お前は

(悟浄)やめとけ 冗談は

冗談って お前の顔そのものが

冗談だよ お前 この野郎

ハハハハッ…

てれてるから てれて ほら

ハハハハッ…

うぶだね 野郎は 本当に本当に

おいおい おいおい

何や?

女で苦労すんのは

あほやって言ってた お前が…

世の中 分からねえもんだな

お前まで

俺のことを馬鹿にすんのか!

お前なんか知らん ツ~ン!

(八戒)

沙悟浄 てれんな てれんな!

果たして この先

いかなる出来事が待ち受けるか>

・『ガンダーラ』

・ そこに行けば

・ どんな夢も かなうというよ

・ 誰もみな行きたがるが

はる

・ 遥かな世界

・ その国の名は ガンダーラ

どこ

・ 何処かにある ユートピア

・ どうしたら行けるのだろう

・ 教えて欲しい

・ In Gandhara, Gandhara

・ They say it was in India

・ Gandhara, Gandhara

・ 愛の国 Gandhara

・ Gandhara, Gandhara

・ They say it was in India

・ Gandhara, Gandhara

・ 愛の国 Gandhara

現れた赤・青・黄の3妖怪に・

まんまと騙された三蔵法師は

暴れまくる孫悟空を破門>

ウロウロと孤立無援の沙悟浄>

妖怪たちの仲間割れ>

ご期待ください>

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