All language subtitles for ひらり 第005话

♬～

♬「山へ行こう　次の日曜」

♬「昔みたいに　雨が降れば」

♬「川底に沈む橋越えて」

♬「胸まである　草分けて」

♬「ぐんぐん進む背中を」

♬「追いかけていた」

♬「見失わないように」

♬「抱えられて」

♬「渡った小川」

♬「今はひらり」

♬「飛び越えられる」

♬「一緒にね　いろんな話ししよう」

♬「晴れたらいいね　晴れたらいいね」

♬「晴れたらいいね」

♬～

（戸の開閉音）
⚟（藪沢みのり）ただいま。

（藪沢ゆき子）お帰り。

（みのり）みんな　どうしたの？
ひらりは銀次のところ➡

おじいちゃんは　お部屋
お父さんは大学のクラス会。

そう。

どうかしたの？　元気ないじゃない。
別に。

ひらりが
「洋服　届けた」って言ってたけど➡

みのり　あんた　誰か
好きな人いるんじゃないの？

振られた。

やだな…。　明日からも　毎日
その男と顔合わせんの。

転職したいなって　ずっと思ってんの。
でも　勇気ない。

できること何にもないし
やっぱり　大きい会社離れるの怖いし。

いつまでもワープロとコピーやってても
いいことないって　分かってんだけどね。

とにかく動いてみたら？

お見合いでもしようかな。
結婚したいの？

落ち着くもん　とりあえず。

結婚…　悪くないけど➡

独身の時に考えてるほど
いいもんでもないわよ。

お母さん見てると分かる。

言っとくけど不幸じゃないのよ　お母さん。

まあ　どこの奥さんも
似たり寄ったりって分かってるけど…。

平凡な幸せって　こんなものよって
分かってるけどね。

（戸の開閉音）
⚟（藪沢ひらり）ただいま！

ただいま。
お帰り。

お父さん！　おじいちゃん！

どなたさんも　ちょいとお話があります！
集合！

お父さん　クラス会。　何の騒ぎ？
あっ　そうなんだ。

あっ　おじいちゃん　おじいちゃん
とりあえず座ってちょうだいよ。

座ってちょうだい。
お母さんも　座って座って。　ね！

（せきばらい）

突然ですが　私　明日　学校に
退学届を出すことに決めました。

え？

どういうことなの？　ひらり。
あんた　何考えてんの？

大相撲を仕事にしようって考えてんの。

仕事？　決めたの？

全然。
今日　税理士はやめようって決めて➡

友達に話して　おじいちゃん相談して
市子にも相談して➡

それから　あっ　銀ちゃんに聞いて
やっぱり　決めた。

明日　退学届出す。

おじいちゃん。
（みのり）あんた　今日一日で➡

もう　そんだけ動いたの？
そ！　だって➡

動かなきゃ　何も始まんないもん。

とにかく　こういうことは
お父さんに相談してからにしてもらう。

勝手に退学届なんか出さないで。
お父さんには　もちろん話すよ。

でも　私　もう決めたから。
勝手なやつ。

どうして？　だって私のことよ。

私が一番いいと思ったことをやるのが
一番いいでしょ？

子供のあんたに　何が分かるのよ。
子供ったって　もう二十歳よ。

何でも　そうやって思いつきで動いて
困れば　必ず家族に泣きつくんだから。

そういうの　子供って言うのよ。
思いつきじゃないわ！

自分が好きなことが仕事になれば
一番幸せだって考えて➡

それなら何だろうって考えて
ちゃんと考えて出した結果なんだからね。

ひらり！　もうちょっと地面に足を着けて
真面目に考えてよ。

真面目に考えてるって言ったでしょ。

あんたは　世の中　見くびってんのよ。
そんなに甘いもんじゃないのよ！

それ言ってたら動けないのよ！
私はね　何か始める時に➡

グズグズ　ご大層な言い訳くっつけて
結局動かない女って大っ嫌いなのよ。

そういう人って　必ず言うのよね。

「世の中甘くない」とか
「今は　まだ時期じゃない」とか。

思い立った時が時期なの！

（ゆき子）おじいちゃん…。

（藪沢小三郎）
俺　この間　計算したんだよ。

人生８０年って　たった２万９，２００日だよ。

そのうち　第一線で活躍できるのは４０年。
１万５，０００日だ。

たった　１万５，０００日…。

好きなように
思う存分　やりゃあいい。

⚟（階段を上る音）

（戸が開く音）

さっき　ごめん。

ううん。

私　みんなに泣きつかないから。

ひらり　羨ましい。

私　今の暮らしがいいって
思ってないけど➡

何していいか分からないし➡

何か始めるのも　怖いのよね。

ひらりが言うとおり。
いっぱい言い訳して　動かないの。

♬～

ごめんね　新しい服借りて。

でも　振られた。
えっ！？

だって　山下さんの方から話があるって
言ったんでしょ？

うん。　婚約者　紹介された。

「君は人を見る目があるから
見てほしい」…　だって。

くっそ～！

そんな男　あり？

ありよ。

私みたいに　恋の相手として
見られない女にはね➡

男っていうのは
こういうこと　平気でやるのよ。

恋の相手として見られてないなんて
どうして分かるのよ。

彼いない歴２５年。　男の人と
ちゃんと　つきあったことないもん。

相手として
見られてないっていうことでしょ？

いいね　ひらりは素直に泣けて。

私　そういうのも
恥ずかしくて　できないのよね。

ホントは　泣きたいのにね。

お姉ちゃん！
何よ。

すっげえ　いい女になって
そんなタコ　見返してやんな！

うん。

（藪沢洋一）
退学なんていう　そんな大事なことを➡

全部決めてから　俺に言うのか。　え！

何でも父親は事後承諾か。

私たちだって昨日の夜　聞いたのよ。

ごめん。　昨日決めて
すぐ言いたかっただけなの。

何で　お父さんがいる時に言わないんだ。
だって　クラス会じゃ➡

いつ帰るか分かんないし
それも　酔ってちゃ言えない。

だったら　朝　みんなと同じに
言えばいいだろう。

わざわざ
お父さんの帰りの遅い日を狙って➡

先に　みんなに話して
それで味方を作っておくという➡

そういう根性が嫌なんだよ　お父さんは。
何も　私は　そんな…。

味方は　俺だけだよ。

お父さん行こう　時間だよ。

お父さん　行ってらっしゃい！
お姉ちゃんも　行ってらっしゃい！

お父さん　ひがんじゃ駄目だよ。

ひらりは
早く言いたかっただけなんだから。

おはようございます！
（２人）おはようございます。

いいですねえ　いつも
お嬢さんと　ご一緒で。

男なんて　つまんないもんだな。

家族のために働いてるつもりが
結局　家族の中に居場所がない。

考え過ぎだって。　さ　行こう！

（梅若）驚いたな
昨日決めて　今日　退学届か。

そ。　ねえ　だから
何か私にできる仕事ない？

急に言われてもなあ。

ま　急に言われなくても　相撲界ってのは
女いらないからねえ。

分かってるけど…。

医者になれよ。

両国診療所は
医者死んでから　ずっと閉めっ放しで➡

困ってるんだ　みんな。
駄目。

私　血ぃ見ると　ひっくり返るんだ。

ああ…。

（明子）ひらりちゃん。
ああ！

学校やめたんだって？
うん。

今　親方に就職活動。
ふ～ん。

充　ポケットの中のもの出しなさい。

芳夫　腹ん中のもの出しなさい。

こんなもので太っても
それは不健康な太り方だって➡

親方　いつも言ってるでしょ。
もう　やらないね？

（芳夫　充）すいません！
もう一つ　いつも言ってるでしょ。

（２人）はい！

「力士は　葉書一枚出しに行くのでも
着物を着るべし」というのが➡

梅若親方のやり方でした。

はい。
ありがとう。

古くさい考え方だって
思うかもしれないけどね➡

相撲界ってところはね
半端に新しくなっちゃ　いけないのよ。

そりゃ　この方が簡単で動きやすいっての
分かってるけどね➡

気持ちが違うのね。　たかが気持ちって
思うかもしれないけど➡

気持ちを入れるところから
入っていかないとね。

あら　また新しい四股名　考えてんの？

うん　千秋山っていうのもよかないか？

久男の四股名　まだ決まってないのよ。

何だ　それ。
えっ！？　ああ。

芳夫と充がね　捨ててくれって。
持ってると着ちゃうからだって　ハハハ。

千秋山も悪くないわね。
だろ？　うん。

すっきりしてるな。
そうねえ。うん。

（ため息）
なあ。

みのり　見合いさせたらどうかな。

本人も　そう言ってるのよ。
そっか。

いや　何か　あの子が切なくてね。

切ない？
うん…。

何か　恋人もいないみたいだし
ひらりみたいに勢いがないし➡

毎朝　僕と一緒に会社へ行って
決まりきった仕事して➡

で　家族のために尽くして…。

人並みの幸せってやつを　早くね。

結婚より　自分の手で幸せになる方法
見つけられないものかしらね。

え？
いや　結婚が
いけないっていうんじゃないの。

ただ　今
あなたが言ってたみたいな子だから➡

結婚して不幸になったら
もっと　かわいそうでしょう。

結婚してもしなくても➡

自分で一人で生きていかれる力を
つけられないものかしらね。

♬～

ひらりは　自分にぴったりの
相撲に関わる仕事を思いつきました。

な～に　難しくたって
「当たって砕けろ」です。